鯖江市政に挑戦の30歳、初の著書
『大好きな「まち」で主役になる』
地場産業の小イノベーション、地方ママの子育てオフィスプロジェクト、空き家×伝統工芸×宿泊×ツーリズム、コロナ対策のテイクアウト情報ポータルサイト、まちの未来ビジョンと政策プロジェクト……etc。
東京生まれ・京大卒、「まち」を求め福井移住。利他の心で動き続けた“ヨソ者”は、いかにして「人生の主役」になったのか。
20代30代必読の、若き地域事業家奮闘記!
9月25日発売
勝木書店、紀伊国屋書店、Amazon、富士マガジンサービスにてお求めください。
(税別 1,000円)
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スペシャル対談
本の発売を記念した、山岸みつるとURALA編集長・宮田耕輔氏のスペシャル対談を掲載しています。
なぜ「まち」に魅了され、人生をかけようと思ったのか。
(以下敬称略)
出版おめでとうございます。
ありがとうございます!
本を読んでみて改めて聞いてみようと思ったのが、東京出身の 30 歳が何故そこまで「まち」というものに魅了されたのか?というところです。
確かに周りから見るとそうかもしれないですね。
僕の生き方って特殊というか、地方から東京に出ていくのが普通で、若者が都会に出るのをいかに止めるか? を地方は考える中で、僕は東京から地方の「まち」に自ら移住しました。移住したくなるくらい大きなものを 「まち」の中に発見したんです。
一回しかない人生で“自分らしく”生きたい!と思った時、それができるのが地方の「まち」だと思ったんです。
東京生まれだからなおさら感じたのでしょうね。
そうですね。
東京で仕事をしていた時って、自分が仕事をした先がどうなっているのかが見えづらかったんですけど、初めて鯖江に来て仕事をした時に、僕が少しだけ関わったことが大きな「まち」の変化につながっていくという感覚があって、それが面白いなって思ったんです。
初めて鯖江に来たとき「やるべきことがここにある」って思いました。
女性が活躍できる社会とは?
本を書くことで、自分自身を再確認できたのではないですか?
かなり(笑)思いっきり自分でフィードバックしました。
本の中のキーワードとして「女性」、「子ども」がよく出てきましたが、福井に来て「女性」、「子ども」の考え方が都会と違うことを感じましたか?
福井に来て感じたのは、消極的な女性と、積極的な女性が結構はっきり分かれているイメージですね。
本にも書きましたが、子育てママオフィスを開く時に女性男性、上司部下という関係性を無くし、意見を言い合えるフラットな職場にしたはずなんですが、なかなか意見とか提案を言ってきません。
それはどうやって改善できましたか?
オフィス開設以来、今でも続けていることですが、やはり積極的にコミュニケーションを取ることで信頼関係を作るのは大切だなって思います。
僕のことを「社長」とかではなくて「やまちゃん」って呼んでもらってます(笑)
(笑)。言っていいんだ、やっていいんだっていう環境作りは言い続けていくことが必要なんですね。
「まち」で全員が主役に。
眼鏡がきっかけで鯖江に来ましたが、企業を含めて地方の「まち」に対するイメージはどういうものでしたか?
鯖江に来て眼鏡協会に関わりながら、たくさんの人に会いましたが、年功序列、男尊女卑の傾向がかなりあるなぁと思いました。
女性は給料が安くてお茶汲みをする。これは僕の中では当たり前じゃなかったので違和感を覚えました。
確かに、役職と役割を間違えている人は多いかもしれません。
おそらく、個人個人が自分で考えてそうなっているのではなくて、社会自体がそうさせてしまっているのではないか? って思います。
違和感ということは、都会はそうでもない、と。
女性が働けるモデルケースがたくさんあるので、参考にできて動きやすい雰囲気はあります。
ジェンダーレス、ダイバーシティという言葉がありますが、言葉だけが一人歩きしてしまっているような感じもします。
そうですね。SDGsも含め、形だけしっかりして中身が何も変わらなければ意味がないって思っています。
そこは意識の改革が必要でしょう。合わせて組織の考え方の改革も。
今の社会は三角形のヒエラルキーの中で頂点に立ちたいと思い、行動をするビジネスパーソンが多いのですが、それを取り払って、しっかり一人一人の価値が評価された時、本当のジェンダーレスやダイバーシティが形成されると思います。
これはまさに本にある「全員主役」に通じるもので、リーダーは三角形の頂点ではなくて、全員平等で長方形の真ん中に位置する組織図というか。
僕も三角形の頂点にいたいわけではありません。みんなで主役になって、みんなで変えていきたい、そう思っています。
僕は都会のような“つくられたもの”には魅力を感じなく、これから“つくりあげる不完全なもの”に魅力を感じます。だからこそ地方の「まち」にいたいと思うのでしょう。
東京で生まれて東京で育った若者が、「まち」に惹かれて人生をかけているのが不思議でしたが、本を読んで今回お話させてもらってその意味がわかりました。
ありがとうございます!出版は正直文字を書くのが苦しかったのですが、この先自分が迷ったときに自分の指針として読み返すことができるので、やはり本を出版してみて良かったと思います。
どのような人に読んでもらいたいですか?
都会でモヤモヤしている人や、地元を嫌いになった地元の人に、こんな考え方もある、ということを知ってもらえたら、と思います。
ありがとうございました。
対談者プロフィール
山岸充(やまぎしみつる)30歳
- 地域事業家
- 2019年度鯖江商工会議所青年部・政策提言委員長
- 鯖江市第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略 推進会議委員
1990年東京都生まれ(30歳)。京都大学理工学部入学、同大学総合人間学部卒業(公共政策論を専攻)。
大手情報サービス企業に勤務後、実家が鯖江製品も扱うメガネセレクトショップ「リュネット・ジュラ」を経営していた縁で、2016年に鯖江市に移住。
福井県眼鏡協会職員を経て、鯖江市でまちづくり事業を行う株式会社わどうを経営。詳しくはこちら
福井の地域情報誌『月刊ウララ』ならびに毎日更新の『日々ウララ』の統合編集長を務める。
“福井のまちづくり”をライフワークとし、ボクサーパンツ専門店『ラーナニーニャ』、アートギャラリー『MAGO GALLERY FUKUI』運営、「福井駅前短編映画祭」「ふくいムービーハッカソン」実施、『NPO法人きちづくり福井』代表。
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